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その時に分かる事:東北地方太平洋沖地震 [日記・エッセイ]

昨日の東北地方太平洋沖地震、皆様がご無事でいらっしゃる事を願い、また、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

そんな私も、被災者と言うのはオーバーなのかもしれませんが、怖い思いをしました。


昨日3月11日午後3時過ぎ。

事務所で業者さんと父とお茶を飲んでいました。
ものの5分と経たないうちに、揺れが起こりました。

前の二日間、軽い地震があったし、その揺れも似た様な緩やかなものだったので、“またか・・・”という気持ちで3人とも笑っていました。

しかし、揺れは収まるどころか次第に強くなってきました。

あれ?・・・変だね・・・今回はちょっと大きいみたいだね・・・
何て言いながら、きょきょろと外を見てみると、事務所の脇に止まっている軽自動車が揺れている。
あぁ~やっぱり大きいね。

なのに、眺めていると

やっと業者さんが「社長、外に出た方がいいよ!」と席を立ちました。
それでも、まだ顔には苦笑が浮かんでいました。

大袈裟じゃない?と思いながらも、一歩遅れて私とオヤジも事務所から出る事にしました。

スニーカーを突っかけてストンと外に出た私は、トントンと爪先を地面に打ち付けてちゃんと履きながら、向かい側に立っている長屋(私の住んでいる所)近くまで進んで行きました。


その時

揺れが大きくなりました。

まるで感じた事のない怖さです。

地面が“魔法のカーペット”の様にゆんらゆんら。

(何これ!?地面ってこんなに揺れるの!?)

そう思いながら、無意識でしたが長屋を見上げたら・・・


ガッツンッ!!!

屋根の一番上に横棒みたいに走っている瓦の、9段も積まれている“グシ”とこの辺では呼ばれている部分が倒れました。
うちの長屋は下の車庫の部分が仕事の関係上、少し高めに建ててあるので、通常で言うと2.5階位の高さになります。

なので、“倒れた”感が大きくて。

まさか・・・瓦が倒れるなんて・・・

信じられない、いや信じたくない

でも、実際にグシは倒れて、それが二階の屋根に落ち始めました。

砕け出した瓦は、裏側のオレンジに近い肌色が見えて、人間の手でわざと思い切り転げ落としているみたいな鮮やかさで傾斜を下っている。

映画やドラマでは何度も見た事はありますが、目の前で繰り広げられている様子に揺れも感じない位に頭が真っ白になってしまい、足がすくんでしまいました。


瓦が一階の屋根まで落ち始めた時、ハッと我に返って

マズっ!!下敷きになる!!!

咄嗟に踵を返した瞬間、転んでしまいました。


慌てて降り返ると、瓦は1階の屋根に届き始めていました。

細かな欠片が降って来る・・・


いやぁ~いやぁ~~!!!


珍しく女性っぽい叫び声を上げながら、腕の力を使って体を引きずる様に何とか数メートル進む事が出来、小さめな物が幾つかぶつかった程度でした。

しかし、ほっとする隙もありませんでした。


揺れは更に大きくなっていて、立とうにも立てません。アスファルトを掴めるものなら、爪が食い込むほど掴んでいたでしょう。
手に精一杯の力を込めて地面にしがみつきました。

そして、視線の先にある長屋の下の車庫に目を移すと・・・

車が踊っている。

オヤジのベンツ、軽い方じゃないのに、タイヤが地面から離れるくらいの勢いで。
もひろん、M君のも私のプーちゃんも・・・
(電気でわざと車を躍らせる仕組みがありますよね?動き方はそれと同じでした。)

動けない・見ているしかない状態で、(お願い!それ以上動かないで。ローンだけ残してプーちゃんを壊さないで!!)さもしい様な気がしますが、食い入る様に見詰めてただ懸命に祈りました。


それから数分後、ようやく揺れが収まりました。

でも、怖さの余韻で放心してしまい立つ事が出来ません。
目の前にばら撒かれている瓦の残骸に釘付けになってしまい、頭の中では、落ちてくるシーンがスローモーションで繰り返されていて・・・

何とか立ちあがってみたものの、足に力を入れている事が出来ずにへなへなと座り込んでしまう始末。

もう、どうなっちゃうの?
ただただ不安で、逃げ出したい・・・。


それでも、いい加減にオヤジに叱咤され、(既にオヤジが行った後だけど)実家の様子を見に行きました。
さぞかし慌てているだろうと想像していたのに、ママりんは「いやぁ~凄かったね!もう、ダメかと思ったよ」と笑いながら言っている・・・人生は偉大だ!

そんなママりんを見たら、ほっとしたのと少し緊張が緩んだのとで、“ふぇ~~~ん”と泣いてしまいました。

涙が引いて長屋に帰ると、数分後にのんの将軍がが学校から無事に帰宅しました。
かおり若君もひろちゃんも無事で、良かった!と一息ついていると、余震が来ました。

数度目にちょっと大きな余震が来て、おんな4人は抱き合って行き過ぎてくれるのを待ちましたが、のんのはわんわんと泣き、さすがに気丈なひろちゃんも涙目に。


その後、余震のスパンが長くなったのを機に・・・

まずは車を見に行ってみると、プーちゃんの後部ナンバープレートの下側にM君の前部のナンバープレートが重なってしまっていました。これは・・・オヤジの指示に従って、プーちゃんを前に出して強引に引き離しました。もうちろん?下から食い込んだ方のM君の車のバンパーに軽く傷が付いていました。(でも、離れて良かった!)

それから、勇気を出して?部屋に上がって見ました。

いや・・・これまた唖然としてしまいましたが、あれだけの揺れだったのだから仕方ないか・・・

食器棚の扉は全開で、中の食器は98%放りだされて、たいがいが木端微塵に。
大好きなピーターラビットやウェッジウッドや何やらの食器・グラスがぁぁぁ。
冷蔵庫は古い物だけど、冷凍庫の扉があいて、冷食がやはり放り出されていました。
テレビ台は95度動いて、本棚も倒れて、箪笥・クローゼットも動いてしまっていました。
台所は炊飯器やオーブントースターは床に落ち、足の踏み場がなく、浴槽には密接している脱衣所の戸棚に置いてあった物が入っていたり・・・。
壁の板も2枚はがれ、コンセントも一つダメになりました。(→これは自分で直せるから良かった!)

もう、どこから手を付けていいのか考えて行動する気力も無くなってしまったので、その日は早速修理をお願いした瓦屋さんとM君に残骸の片付けを手伝ってもらい、事務所の最低限の片付けをして、被害の軽い実家に避難しました。

夕飯を食べながら膝をつくと痛いので、ジーンズをまくって見ると両方とも転んだ所が大きな痣になっていて、次には立ち上がる時に「痛ててて・・・」→若干の打ち身?
あの時は痛さも感じなかったのにね。

そして布団に入ってからは、枕が変わっただけではなく余震が多く緊張して、お酒も飲んで、睡眠剤も飲んだのに眠気すら起きませんでした。



報道では、明治以来の観測史上一番の規模の地震だと言っているので尚更なのでしょうが、まさか災害の少ないこの県に住んでいて、こんな経験をするとは想像もしていませんでした。


そして。


大きな地震の報道がある度に、映像や被災者の方々のコメントを聞いたりしてきましたが、本当の怖さを全く分かっていなかった自分に気が付きました。

例えば、“余震が怖くて落ち着かない”という点。
(地震が小さくなったのだから、気持ちは楽になるんじゃないの?)と、どことなし疑問に思っていましたが、とんでもない!!!
フルっと揺れるだけで、本震の怖さがフラッシュバックされて心拍数がズンと上がります。
本震が何度も続くわけじゃないよと分かっていても、信じられません。

瓦の崩れてくる様子や、散らばった欠片を眺めている自分の姿も当分頭から離れる事はないでしょうし。ぐちゃぐちゃになった部屋の中も二度と見たくない光景。

たかがこれだけの被害で“悪夢だ”と思ってしまうのに、津波や建物の崩壊が起こったら?

どんな事でもそうなのかもしれませんが、その時に、”自分の身に起こって初めて本質を分かる”というのは、こういう事を指すんだ・・・身に沁みました。

電気も水も好きに使える・ぼんやりとテレビを見て過ごせる宵・ゆっくりとお風呂に入れて・穏やかな気持ちで布団に入れる・・・平凡な生活がこんなにまで憧れの念を起こさせるとは。


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コメント 8

爆弾小僧

身をもって体験したことがまったくない僕は
典型的な “平和ボケ” なのかもしれません (> <)
とにかく、みなさんがご無事で安心しております。
この後も余震が起こり気の休まる暇もないかもしれませんが
一日も早い復興をお祈りします。
by 爆弾小僧 (2011-03-13 15:10) 

みちる

ご無事でなによりです
私も、怖い思いはしましたが
家の被害もほとんどなく
家族も無事 
余震には夜も寝れない日々ですが
テレビのニュースを見るごとに
本当にすごいことになってしまったと
涙が出ます
by みちる (2011-03-13 16:23) 

まお

みなさんご無事でなによりです。
私も地震の直後、なんだか寝ているのに疲れる・・・と思ったら、めっちゃ体に力が入ってました。
夜の地震だったので、知らずと緊張していたんですね、きっと。
まだまだ余震が続き、緊張の日々でしょうが、頑張ってください。
by まお (2011-03-13 20:39) 

ゆっち

爆弾小僧さん。
お心遣いありがとうございます。

平和ボケと仰るなら、私こそそのものでした。
台風も降雪も地震も、生活に軽い停電程度で支障のある規模を経験したっとがないので、“ここは大丈夫”と思いこんでいました。

余震が続いていて、緊張しますが、気を付けながら片付けたり仕事したり頑張ります。

by ゆっち (2011-03-18 17:39) 

ゆっち

みちるさん。
お心遣いありがとうございます。
みちるさんご家族がご無事で安心しました。
そうですね、余震が続いていて休まりませんね。
もっと大変な事態になっている地域の報道を見ると、やり切れない気持ちになりますね。

by ゆっち (2011-03-18 17:41) 

ゆっち

qoo2qooさん。
ナイスありがとうございます。
by ゆっち (2011-03-18 17:42) 

ゆっち

まおさん。
お心遣いありがとうございます。
まおさんがお住まいの地方でも津波警報が出ていましたね。
ご無事でなによりです。
そうですね、寝ているのに、気持ちは休まっていないのですね。
まおさんもお気を付けて下さい。
私も、緊張が続いていますが、少しずつ頑張って行きます。
by ゆっち (2011-03-18 17:46) 

ゆっち

suzuranさん。
ナイスありがとうございます。
by ゆっち (2011-03-18 17:46) 

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